どうやら図書室を閉める時間になっていたようだ。僕達は確認が終わったところまでの目印として、一冊の本を少し前に出しておき、忘れ物がないか見回ってから書庫を出た。暑い部屋から出ると、図書室内に行き渡ったクーラーの冷えた風が汗ばんだ体にあたり、身震いした。
我在检查完毕的地方,将一本书稍微抽出来做标记,四下确认没有遗漏东西之後,便走出书库。从闷热的房间出来,流汗的身体吹到图书馆里的冷气,不由得发起抖来。
「すっずしー」
「好凉快——」
彼女は嬉しそうにくるりと回って図書室の受付カウンター内に入り、自分の鞄《かばん》からタオルを取り出して顔を拭いた。僕もだらりと彼女に続き、カウンターに入って濡れた体を処理する。
她愉快地转了个圈,走到图书馆柜台後面,从书包里取出毛巾擦脸。我垂头丧气地跟在她後面,也走到柜台後方擦汗。
「お疲れ様、もう閉めたからゆっくりしていって。ほら、お茶とお菓子」
「辛苦了。图书馆已经关门了,你们不用着急。来吧,喝茶吃点心。」
「わー、ありがとうございます!」
「哇——,谢谢老师!」
「ありがとうございます」
「谢谢老师。」
先生が出してくれた冷たい麦茶を一口飲んでから、図書室内を見渡す。確かに、生徒は一人もいなかった。
我喝了一口老师端来的冰麦茶,环视图书馆内,确实没有半个学生。
「おまんじゅう美味しい」
「点心好好吃。」
全てのポジティブなことにいちいち反応する彼女は、カウンター内の椅子に座り早くもくつろいでいる。僕もお菓子を一つ手に取り、彼女とは少し離れた位置に椅子を移動させ、座る。
她对一切都积极正面应对,早就坐在柜台後面的椅子上休息了。我也拿了一个点心,把椅子移到跟她有点距离的地方坐下。
「二人ともごめんね、来週からテストだっていうのに」
「下星期就要考试了,对你们俩真不好意思。」
「いえいえー、大丈夫ですよ。私達いつもそこそこの点数取れる組ですから。ね。【秘密を知ってるクラスメイト】くん」
「不会不会,没关系的。我们两个成绩一直都不错啦,对不对?『知道秘密的同学』。」
「まあ、授業聞いてればね」
「只要上课有听就好。」
適当に答えてまんじゅうをかじる。美味しい。
我随便应了一句,咬了一口点心。真好吃。
「二人とも大学とかはもう考えてるの? 山内さんは?」
「你们俩都已经考虑过要上大学了吗?山内同学呢?」
「私はまだ考えてないですねー、まだっていうかもうっていうか」
「我还没想过呢——。是还没想,还是已经想了呢?」
「【大人しい生徒】くんは?」
「『乖乖牌学生』呢?」
「僕もまだ、です」
「我也还没。」
「駄目だよ、【秘密を知ってるクラスメイト】くんはちゃんと考えないとー」
「这样不行喔,『知道秘密的同学』非得好好考虑不可。」
二つ目のまんじゅうに手を伸ばしながら彼女がお節介を焼いてくる。僕は無視して麦茶を一口飲んだ。市販の麦茶の味、慣れ親しんだその味が美味しい。
她一面伸手拿第二个点心,一面管我的闲事,但我不予理会,喝了一口麦茶。普通市售的麦茶,因为味道很熟悉所以好喝。
「二人とも未来のことはきちんと考えないとね。気を抜いてると、私と同い年になってるかもしれないわよ」
「你们俩都要好好思考未来才行,一个不小心就会到我这个年纪了。」
「うわははっ、それはないですよー」
「啊哈哈哈哈,不会那样的啦——」
「…………」
「…………」
彼女と先生は楽しそうに笑いあったけど、僕は笑わずにまんじゅうを一口食べてそれを麦茶で流した。
她跟老师都开心地笑着,但我没有笑。一口吃掉点心,接着用麦茶冲下去。
彼女の言う通り。それはない。
她说的没错,不会那样的。
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